思わずはまってしまった。
練るのも忘れて文字通り没頭。
でもまだ最後までは読みきっていない。
お楽しみは明日にとっておこう。
『センセイの鞄』もそうだったけれど
こういう穏やかで婉曲的な愛情表現というものに
どうしても憧れを抱いてしまう。
年をとってしまったものだからできる
無償の愛のようなもの。
若ければどうしても
愛したいと思うし
愛されたいと思う。
それは裏返せば
愛さなければならないと思ってしまい
愛されなければならないと思ってしまうことだといえる。
そういう余計な考えがからまった「愛情」じゃなく
心の中から愛情を素直に出す姿に憧れる。
長い孤独に枯れ果ててその末に出てくる愛情。
自分はまだギリギリ20代で
愛したいし愛されたい。
そして愛さなければならない愛されなければならないと
脅迫されている。
だから
愛そうとして愛されようとしたのに
愛せないと愛されないと
人一倍傷つき動揺し自分を閉ざそうとする。
そういうことをこれからずっと続けていって
そして年老いて枯れ果てた結果
ようやく時すでに遅くして
自分を捨てた素直な気持ちで
一つのものを愛することができるんだろうか。
この作品のテーマはそんなところにはないんだけれど
読みながら
そんなことを考えてしまった。
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