ゲド戦記 1 影との戦い
2006年8月10日 書斎第一巻読了。
神話的な要素をとても多く持っている重厚な作品。
例えば「名」の扱い。
「本名」または「真名」を知り(知られ)呼ぶ(呼ばれる)ことで
そのものを支配できるという考えは
日本の言霊信仰にも見られるものだ。
太古の言葉にその真名が多く含まれ
その太古の言葉を学ぶことが「魔法」の基礎になる。
光と闇
生と死
自然の均衡。
そのような世界の中にある人間のうごめき。
名誉。
憎しみ。
安らぎ。
孤独。
欲。
「影」との戦いの様子が『ベルセルク』に通じるものを感じたが
結局「影」とは死や破滅に対する恐怖心で
それを最後には自分の中に取り込んだというところが
哲学的には面白くもあり
物語的には少し陳腐にも感じられた。
物語全体を通じてこの戦いを引っ張ってくれたら面白かったのになあ…。
まあ
続編に期待。
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