わかったつもり 読解力がつかない本当の原因
2006年11月19日 書斎ISBN:4334033229 新書 西林 克彦 光文社 ¥735
『わかったつもり 読解力が付かない本当の原因』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033229
を読んだ。
実は物語読解の授業は苦手だった。
こちらが解釈を提示してそれで終わりという授業には
疑問と抵抗があったから。
しかしどうすれば子供達の解釈をうまく引き出せるのか
その具体的な方法がなかなか実感として考えられず。
しかし
これを読んでから
文章の中でどこを切り口にして読んでいけばいいのかがかなり分かってきた。
具体的には
物語の中にあるわかりにくいことを見つけていけばいいのだ。
たとえば主人公の性別がはっきり書いていなければ
「主人公の性別は?」と問いかけ
主人公の話し方や仕草に注目させる。
物語のなかの不確定要素を探し出す
という見方で文章をさらっていくと
色々な質問ができてくる。
そして
生徒にそれを投げかけると
生徒は教科書のなかの情報を手がかりに色々な意見が言えるのだ!
しかも。
誰かの意見に対して
こちらが求めなくても反対意見や補足意見を言えるようになった!
必ずしもそれは正しい答えに結びつくものばかりではないけれど
しかし解釈の可能性としてそういう意見がどんどん出ることによって
生徒の読みが飛躍的に深まっていく。
そしてその過程を経た上で
こちら側の解釈をあくまでひとつの例として差し出すと
生徒は前のめりになって聞いてくれる。
とても理解した反応を見せる。
良い問いかけを作る
なんてことは教師としてごくごく基本的なことなんだけれど
しかし実際に生きた質問をつくることは難しい。
だからこそ
最近得られた手応えというのはとてもうれしいものなのだ。
☆☆☆☆☆!
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