新古今和歌集11~15
2011年5月26日 書斎だいしらず 山部赤人
あすからは若菜摘まんとしめし野に昨日も今日も雪はふりつつ
天暦御時屏風歌に 壬生忠見
かすが野の草は緑になりにけり若菜つまんとたれかしめけん
崇徳院に百首歌たてまつりける時、春の歌 前参議教長
若菜つむ袖とぞみゆる春日野の飛火の野べの雪のむら消え
延喜御時屏風に 紀貫之
ゆきてみぬ人もしのべと春の野のかたみにつめる若菜なりけり
述懐百首歌よみ侍りけるに、若菜 皇太后宮大夫俊成
沢におふる若菜ならねどいたづらに年をつむにも袖はぬれけり
☆俊成の歌は手の込んだジョーク。「若菜つむ我が衣手は露に濡れつつ」を引き合いに出しながら、若菜を「摘む」のではなく、年を「積んで」老いた我が身を嘆いて涙を流す。
しかしジョーク以上の余情は感じない。
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